二〇一〇年四月、中央線沿いの街・宵町。中古レコード店でバイトする大学二年生の「あなた」は、音楽にも映画にも漫画にも詳しい。けれど、そのことを誰にも言っていない。
空から、8つの来訪者が降りてきた。彼らの言葉は、誰にも分からない。言語学者のあなたは、彼らの前に立つ。
新宿・歌舞伎町でキャッチをする大学生の「俺」の手記。起きることは変えられない。選べるのは、俺がそれをどう語るか――言い訳だけ。
釣り名人のゲンさんに教わりながら、月に1回、関東の実在の釣り場へ。スマホを振って投げ、釣った魚は魚拓にして図鑑にのこす。
熱くなって大勝負に出るたび、ギャンブル好きの大学生は16世紀イタリアへ飛ばされる。卓の向こうには、確率論の父ジェロラモ・カルダーノ。
日が暮れると、人が消える。2週間おきの火曜日、あなたは110番を受ける指令員。声と、その背後の音だけを頼りに、行き先を突き止める。